Chromebookの終わりと新たな始まり
Aug 12, 2020
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chromebook
5年前のChromebookを懐かしむの続きです.
Abstract
前回はC100PAというChromebookでなんとかしてLinux環境を作った話をしたが, 余りにも問題だらけな環境だったために結局Windowsが載ったThinkPad x240を購入することとなった.
C100PAの使いづらさに関しては,すでに十分述べてきたが今回はC100PAを使うことを諦めた決め手について述べる.
まだ何かあるの?
先日お話しした通り,C100PAのLinux環境には
- Bluetoothが落ちる
- Firefoxで音割れする
- 情報がまったくない
という問題があった.しかしながら,学生の身分ではさして資料作成をする 必要もないため,まだギリギリ許容範囲内であった.では,なぜC100PAを使うのをやめたのか.
それは,アプリケーションの少なさである.
OSの優劣を決めるもの
世間一般のパソコンのOSのシェアは圧倒的にWindowsが多く,次いでMacOSが申し訳程度に存在し,極々わずかにLinux系のOSが存在するという比率になっている.
皆さんはパソコンを買うとき,どのような理由でOSを選ぶだろうか? 皆が使っているからWindowsを選ぶ.もしくはグラフィックやUIが洗練されていて美しいからMacOSを選ぶ.
人によってOSを選ぶ判断基準は様々だろう.
そして,様々なOSが有る以上,人はOSに優劣をつけたがる.
「Windowsは芋っぽくてダサい.Macの美しさこそが志向!」
「グループ内に1台でもMacがあると色々面倒くさいのでMacを持ち込んだやつは死罪」
「Macは不具合多すぎ」
「WindowsのUIゴミすぎ」
Linux「俺もいるぞ!」
WindowsRT「」
Amiga「いなくなってしまったOSたちのこと,時々でいいから…… 思い出してください」
シグマOS「コンピュータの性能が上がったら,俺,消えっから!」
このような議論は有史以前から幾度となく繰り広げられてきた.
はっきり言わせてもらうがこのような次元でOS優劣の議論ができるのは贅沢である. OSの優劣を決めるのはUIでも安定性でも設計思想でもない.
サードパーティのアプリケーションの数である.
it’a small wolrd.
初カキコ…ども…
俺みたいなChromebookでArch Linux使ってる腐れ野郎,他に、いますかっていねーか,はは
今日のQiitaのトレンド
あのIDEかっこいい とか あのアプリケーションほしい とか
ま,それが普通ですわな
かたや俺は電子の砂漠でArch Linux ARMのパッケージを見て,呟くんすわ
it’a small wolrd.狂ってる?それ,誉め言葉ね.
好きな音楽 平沢進
尊敬する人間 リーナス・トーバルズ(感情的な発言はNO)
なんつってる間にcore dumpっすよ(笑) あ~あ,C100PAの辛いとこね,これ
こういうことである. 少なくとも当時のArch Linuxには,ARM向けのEclipseもchromiumもなかったのだ. その代わりにChromium B.S.Uというクッソ紛らわしいアプリがあり, Chrome有んじゃん!と期待させておきながら次の瞬間絶望に叩き落とされるということが日常茶飯事だったのである.
さらには,少しでも重い処理をさせるとOS全体がフリーズするという斬新な設計であり, 常に作業中のデータを失う可能性に怯える精神衛生上大変よろしくない代物であった.
最終的にはLinuxを諦め,Chrome OSで開発環境を作ろうとしたが,これもまた失敗に終わった. この時にはすでにChromebookでAndroidアプリが使えるようになっていたのだが それだけでは不十分であった.
考えてみてほしい.Androidで開発環境を作ろうという人がどれだけいるのか, EclipseをAndroidに移植しようとする人がどれだけいるのか.
Androidアプリはあくまでもスマートフォンのためのものであり,ノートパソコンのためのものではない.
また,ChromebrewというChrome OS向けのHomebrewのような ツールもあったが,当然ARMでは動かない.一応,公式ではないARM向けのリポジトリもあったが 余りにも貧弱なラインナップであった.
かくして筆者はC100PAを押入れにしまい,ThinkPad x240を買うことになったのである.
WSLでも少しばかり問題が発生したが,それは別のお話…
Crostini ~新たなる希望~
それから幾許かの月日は流れ,Crostiniが生まれた. それは,Google自身がサポートする圧倒的に使いやすいシステムであった. かくして,ChromebookでLinux環境を作るという煩雑で不毛な作業から人類は開放されたのである.